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鳴く虫 IN 遠州
私の鳴く虫捕り
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私の鳴く虫捕り

私の鳴く虫捕りの方法を紹介します

鳴く虫の飼育とともに鳴く虫捕りを楽しんでいます。魚釣の醍醐味と同じように獲物との 間に生まれる微妙な緊張感があります。鳴く虫の種類によって生息環境も生態も微妙に 違うので捕る虫に合わせて虫捕りアミなども少しずつ工夫しています。ちょうど魚釣りのとき 対象とする魚に合わせて仕掛けや竿などが工夫されているのとよく似ています。

準備も怠りなくしています。まず、場所選びです。夜、車で走り回り対象となる虫が鳴いている ところを突きとめておきます。足場の良さも重要な条件です。理想的には道路や駐車場の端を 歩きながら虫捕りが出来る場所を目指します。さらに安全性を確認するために日中にもう一度 虫捕りで歩くと思われるコースをイメージしながら現場を見に行きます。


夜、虫捕りの最中に通行人と出会うときには「こんばんは!!」と挨拶します。これは 重要なポイントです。夜ヘッドライトを付けて叢をガサガサやっていれば、不審がられて 当然です。こちらにとっても暗闇で人影を見るのは不安なものがあります。「こんばんは!!」 の一言で双方の不安・不審がかなり解消されます。また、草むらにはいるのでヘビに注意したり、 蜂やムカデにさされないようにしなければなりません。

平成29年1月
ホームページの更新に際して、このページを削除することも考えましたが、もう少し残して みることにしました。削除を考えた1番の理由は最近あまり虫取りに行かなくなってしまったからです。 このページの写真を見ると、十数年前遠州に移り住んだ頃の元気な日々が懐かしく思い出されます。 それとは別に以前虫取りに行った草むらも、十数年の歳月を経て状況がかなり変わっています。例えば キンヒバリを捕った「浅羽地区の休耕田」は当時は休耕になって間もない頃で草丈も短く 恰好の虫取り場でしたが、今では蒲と葦が生茂り虫取りに入ることさえ大変な状況です。ことほど 左様に、虫の生息環境はかなりのスピードで変化しています。また敷地川や小薮川の堤防も以前は マツムシとスズムシが沢山鳴いていたのですが、最近年2回大型の草刈り機が入り、刈り取った草も 集めて行ってしまいます。このため鳴く虫の声は著しく少なくなってしまいました。

スズムシ捕り

遠州地方ではスズムシとマツムシが河川の堤防の茅(ちがや)の叢の中でで共棲しています。私の住む 袋井市では地域の自治会の手を借りてこれらの河川の堤防の草刈りを毎年6月と9月に行います。 9月の草刈りの後(左側の画像参照)それまで30から50cmに伸びていた茅が刈り倒されて 横倒しにされています。スズムシはこの横倒しになった茅の中で鳴いています。夜7時ころ ヘッドライトを点して、この枯れた茅をめくるとそれまで鳴いていたスズムシがあわてて物陰に 隠れようとして動きます。このときすばやくプラスチックのコップ(右側の画像参照)で虫影を 押さえます。そのままコップの中の様子をよく観察し、枯れた茅などの下になり動けなくなった スズムシを確認し、スズムシを傷めないようにプラスチック板をコップの下に挿しこみ、少し づつ押さえこんでいるコップを緩めると、スズムシがコップの中に飛び上がってきます。このとき すばやくプラスチック板を差し込みコップの口を閉じます。こうしてコップの中に入った鈴虫を 虫かごに確保します。
{平成22年9月29日撮影}

マツムシ捕り

9月になると川の堤防の土手に生えている茅やセイタカアワダチソウの繁みの中からマツムシの 感高い声が聞こえてきます。マツムシは夜行性ですから日中は草の根本など日光が差し込まない ところにじっとしているようです。夕方5時過ぎ夕闇がせまるころ茅の繁みの中ほど(地面から 30から50cmくらいのところまで這い上がってきて鳴き始めます。
鳴き声のする付近(虫の姿を確認することはかなり困難)の叢に捕りアミをあて、その先50cm ほどの叢に特製の追い込みアミ(画像参照)を入れて勢いよく虫を捕りアミに追い込みます。 何べんかやっているうちに捕りアミに虫が入ります。捕りアミの口を上にして地面に置き、 胸のポケットに入れておいた小さめのプラスチックのコップで虫を伏せ、もう片方の手の掌を コップの口にあてがい、捕れた虫を虫カゴに入れます。捕りアミにマツムシが入っても足場が悪く 直ぐにコップで取り押さえる作業に移れないときがあります。こんな時には虫が飛跳ねて 逃げてしまわないように、捕りアミの柄の部分を拳でトントンとたたき続け、虫が跳躍するのを 防ぎます。
上記のように虫を捕りアミに追い込む作業を繰り返していると、びっくりした虫が捕りアミには 入らずピョンと飛跳ねて茅の葉などに止ることがあります。このときには捕りアミと追い込みアミ を手放し、胸のポケットのコップを取り出し、コップともう片方の掌ですばやくはさみ込み、 ポップの中に虫を追い込みます。

私の捕りアミは手作りです。太い針金を直径40cmほどの円形にして、そこから約40cm 深さに針金を張り、それに30メッシュの防虫アミを縫い付けたものです。市販のものはアミの部分が 柔らかいので横にすると下に垂れさがり、虫を追い込むことができません。また、捕りアミとほぼ 同じ径の円形の追い込みアミも作りました。同じように太い針金を円形にして日曜大工ショップで 手に入れた植木鉢の鉢底などに使う厚いプラスチックのアミを縫い付けました。(左の画像参照)
{平成19年3月27日・平成22年10月16日撮影}

ウマオイ(スイッチョン)捕り

画像で示した捕りアミと追い込みアミはこのホームページの「鳴く虫よもやま」の「高尾山のウマオイ」の 項で書いたウマオイ捕りで使ったものです。捕りアミは市販のものですが追い込みアミは手作りです。 どちらもおよそ2メートルほどに伸びますが、1メートルくらいの長さにしたときが一番使いやすいです。

ウマオイは”スゥーイッ チョン”(反対かもしれません)と鳴きますが、”スゥーイッ”という声は 周波数が高く発声源が特定しにくので”チョン”の声を頼りに忍び足で鳴き声の主に近づきます。 ウマオイは林の中の広葉灌木の葉の上でよく鳴いていますので、その枝の下に捕りアミをソーッと 近づけ、追い込みアミで虫が止まっている枝葉を上からたたき、一気に虫を捕りアミに叩き込みます。 挟みつけたまま間髪をいれずに引き戻し、捕りアミのアミの部分が上になるように半回転させながら 路上に伏せます(右の画像参照)。すばやくアミの中にウマオイが入っているか確認し、いたらアミの部分を抑え込み 虫が動き回れないようにし、空いている手をアミの中に入れ、虫の頭部の左右をつかみ捕りします。

ウマオイは鳴いている場所を見つけ出すことがかなり難しいです。また、夜の作業となりますから足元の 安全が確保でき虫を取り込んだとき、捕りアミを伏せるのに都合のよい平らで大きな草などのない道路のような 場所が必要です。こういった条件を林道の北側斜面が満たしてくれます。林道は林の中腹を車が 通れるほど切り開いて作りますから、山側の土砂を少し削り平らな路面を確保しますので山側が むき出しになり、水が滲みだしているようなところが多く、林も少し切り開かれウマオイの好む広葉灌木も 育ちやすい環境になるからです。鳴き声を頼りにしますので、必然的にオスが捕れる方が多くなります。 メスを捕りたいときには、オスの姿を見つけた時、すぐアミをあてずに鳴いているオスの周辺を丹念に 探してみます。運が良ければオスに近づこうとしているメスを見つけることができます。メスを捕りたい ときには夜が少し更けた9時ころからがよいと思います。夜間山中での作業になりますので、万一に備えて 携帯電話が使えることを確認しておくことも大切です。

それとは別に昼間、幼虫を捕る方法があります。上記と同じ林道の北側斜面の山側の広葉灌木や雑草の中 に、マツムシ捕りで紹介したものと同じ捕りアミを差し込み、上から追い込みアミあるいは小さな熊手等で叢を たたき虫を捕りアミに追い込みます。ウマオイの幼虫は草の葉陰など地上10cmから30cmくらいの 高さのところにいるようです。季節は幼虫が羽化する手前の7月から8月始めがよいようです。
{平成22年10月17日撮影}

カンタン捕り

わたしはカンタン捕りにもマツムシ捕りの項で紹介した捕りアミと追い込みアミを使います。コップを 使って捕る人もおりますが、虫にかなり接近する必要があり、このとき虫に気づかれ、失敗する ケースが多くなります。その点捕りアミには50cmほどの柄が付いていますので、その分虫がら遠い 位置で作業ができます。マツムシのときとは違って捕りアミを鳴いている虫の下にあてがい、追い込みアミ で鳴いている虫の真上の草をたたき、虫を捕りアミの中に追い落とします。捕りアミの中に入ったら、透明の プラスチックのコップで虫を抑え込み、コップの側面に這い上がってきたら、掌でコップの口を塞ぎ 虫かごに捕り込みます。

少し山手を走る県道など整備の進んだ道路で山を少し切り開いて通したようなところが狙い目です。道路 脇が土手状態になったところにヨモギやセイタカアワダチソウや葛などが繁っている場所がいいです。道路に 歩道が付いていれば安全で尚いいです。カンタンは草の葉裏から頭をのぞかせて鳴いていますから、葉っぱの 上からでは見つけにくです。土手状態のところですと草の繁みがせり上がっているので、自分が少し屈みこむと 草の葉裏で羽根を震わせて鳴いているカンタンが見つけやすくなります。
{平成19年3月27日・平成22年10月16日撮影}

クツワムシ捕り

クツワムシ捕りにもマツムシ捕りの項で紹介した捕りアミと追い込みアミを使います。クツワムシは 比較的深い草むらや広葉灌木の枝の上で鳴いていることが多いようです。声が大きいので発見は 容易です。が、繁みの深いところにいることが多く、接近と捕りアミを適当な位置にあてにくい ことと、虫の上に覆いかぶさっている枝葉が邪魔になって追い込みアミで虫を捕りアミの中に叩き込む のが大変です。 メスを捕ることはさらに大変です。オスの鳴き声に誘われてメスがオスに接近して来るころ、つまり 夜9時過ぎころ、鳴いているオスの周辺を丹念に探す以外に方法は見つかりません。 別の方法として私は7月下旬から8月上旬、クツワムシが羽化する前の幼虫を捕ることもやっています。 この場合にはオス・メス共に捕ることが出来ます。場所的には前の年クツワムシが鳴いていた付近の草むら の草を刈り倒し、その中からクツワムシが這い出して来るのを待ちます。這い上がってきら、大きめの コップで抑え込みます。
{平成22年10月16日撮影}

キンヒバリ捕り

キンヒバリ捕りには沢山鳴いている場所を見つけることが特に大切です。わたしは長い間放置 された休耕田を狙い目にしています。季節は5月から7月始め、さらに9月ころがよく捕れます。虫捕り 作業は日中です。朝方か夕方が理想的と思われますがなかなか都合が付きませんので風の少ない曇りがち の日中に行きます。一般的に休耕田は平らで危険は少ないですが、叢の中をラッセルすることになります ので長靴を履き、長袖でタオルを首に巻き幼稚園の子供がかぶっているような後ろにフードが付いている 帽子をかぶります。また、眼鏡の着用を勧めます(私はもともと老眼鏡が欠かせませんが)。こうして 蜂に刺されることや、かぶれないように気をつけます。へびにも注意が必要です。

道具はカンタンの項で示した手作りの捕りアミとアミの中の虫を抑えるプラスチックのコップを使います。 このコップの底をくりぬいて防虫アミを貼ったものを使っています。コップの中に入った虫を虫カゴに 移すとき、このアミ底から息を吹きかけるとうまく虫カゴに入ります。虫捕りの方法は叢の中に捕りアミを 横向きにおき、その入り口の叢を足でガサガサと踏みつけ、虫を捕りアミの中へ追い込みます。
虫が捕れたら捕りアミを入り口を上にして地面におき、しゃがみ込みアミと自分を安定させ、目を凝らして アミの中の虫をコップで押さえます。アミの外からトントンと叩いてコップの中へ移動するように促します。 虫がコップの壁に這い上がったらすばやく空いている方の掌で口を塞ぎ、虫カゴの中に吹き込みます。
複数の虫がアミに入った場合には、まずアミの柄をトントンと軽く叩いて虫をアミの底の方に落として おいて、這い上がってくる虫を捕りたいものから順に捕るようにします。9月のころには幼虫が多く捕れます。 生まれたてのものは非常に小さく30メッシュのアミの目を潜り抜けてしまうほどのものもいます。 この虫は虫捕りに現地に持っていったカゴから飼育カゴなどに移す作業も大変です。特に幼虫は色が薄く 目立たない上にチョコチョコと特異な動きをして、どんどん逃げ出してしまいます。
{平成22年10月16日撮影}

カネタタキ捕り

カネタタキ捕りにもマツムシ捕りの項で紹介した捕りアミと追い込みアミを使います。カネタタキは は都会でも秋の訪れとともに住宅の庭の植え込みなどの中からチン、チン、チンと聞こえてきます。 手入れされた槇の植え込みなどが狙い目です。刈り込まれた枝の下に捕りアミを添え、枝の上から 追い込みアミで枝を叩いて虫を捕りアミの中に取り込む方法です。画像では北側斜面の藪の脇の灌木 の枝を狙ったものです。また、右の画像は捕りアミを道路に伏せ、這い出した虫をポップで押さえ 側面に這い上がってきたカネタタキです。なぜかキンヒバリの幼虫もいました。
{平成22年10月17日撮影}

クサヒバリ捕り

クサヒバリ捕りにもマツムシ捕りの項で紹介した捕りアミと追い込みアミを使います。クサヒバリは 林につながる草むらや笹やぶの中で鳴いています。困ったことに草むらの脇の道路を足場に背伸びして 捕りアミと追い込みアミを使って何べんもやってみるのですが、なかなか捕れません。やむなく 草むらに足を踏み込み、からす瓜や藤蔓をくぐり必死にがんばってみたのですが、成果はほとんど ありませんでした。昨年はそこそこ捕れたのですが、どういう訳か今年はダメでした。したがって ここで紹介している方法は通用しないものです。紹介した虫捕り方法の中でもっとも成果の薄い ものとなりました。もっと効果的な方法がありましたら、是非ご紹介ください。
{平成22年10月17日撮影}


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